きびだんごの「これまで」と「これから」

皆さんこんにちは!きびだんご広報のみきだんごです。
私たち「Kibidango」は、2018年2月22日で会社設立から、3月8日でサービス開始から5周年を迎えました。

創業から事業内容やメンバーは変化していますが、代表をはじめとする創業メンバーによって、Kibidangoの根幹にある「中小企業やスタートアップ、個人事業主の皆さんの継続的なサポートをしていきたい」というポリシーはずっと守られてきたように思います。

今回は5周年企画として「きびだんごのこれまでとこれから」をテーマに、創業当初からKibidangoを支えて来た4人のメンバーに話を聞きました。

写真左から、
●代表取締役:松崎良太
株式会社日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)で投資銀行業務に携わった後、2000年に楽天に入社。執行役員として楽天グループのM&A案件を多数手掛けると同時に、グループの次なる事業の柱となるサービス探索・投資活動を行う。2011年に独立しサードギア株式会社を設立。次世代を創るベンチャー企業の育成に務めながら、多くのエンジェル投資を自ら行う。2013年にきびだんご株式会社を設立、同社代表取締役Chief Momotaro就任。クラウドファンディングとECを組み合わせた新しい事業エンパワーメントの仕組みを提供する「Kibidango」をスタート。プライベートでもクラウドファンディングが大好きで、個人で支援したプロジェクトは国内外を合わせると300以上。

●プロジェクトコーディネーター:青井一暁
前職では伝統産業である高岡銅器と最新の金属加工の技術を活かした商品開発に携わる。きびだんごではプロジェクトの発掘とサポートに従事。情熱的なアプローチと強い求心力で、担当したプロジェクトオーナーの多くから絶対的な信頼を得る。声がとても大きい。

●財務・人事・システム・マーケティング担当:安形隆広
エンジニアでシリアルアントレプレナー。システム開発/運用およびバックオフィス全般の責任者としてきびだんごの屋台骨を支える。冷静な視点と細やかな気配りにより、常にチームに新たな気づきを与えている。「ワクワクするし、常に変化しているからつい来てしまう」サービスを目指す。“速いもの”が好き。

●デザイナー:矢野将史
インテリアショップでの店長経験を経て、現在はWebデザイナー、カメラマンとして、さらにはECの利点を活かしたプラットフォームの可能性を追求することで、きびだんごの発展に力を尽くしている。ページの魅力的な見せ方や特典設計に関するノウハウを有し、大型案件を成功に導いた実績を持つ。きびだんごの貴重なツッコミ担当。

独立したからこそ分かった「小さい会社のジレンマ」

みきだんご:まず松崎さんに、Kibidango立ち上げの経緯や当時の展望を改めてお話しいただきたいと思います。

松崎:はい!すでに色んな所で話をしていることでもありますが、銀行マンから、立ち上げまもない楽天に転職してから10年。自分一人でも何かできることがあるのではと、2011年に独立しました。独立した最初の頃は『独立したからには、サラリーマンをやっていたときよりも稼ぎたい』という正直今から考えるとかなり不純なモチベーションでやっていましたね。

で、独立してから改めて分かったことが、「大きい会社から仕事をいただくと稼げる、小さい会社と仕事をするとお金の相談を受ける。つまり、稼げない。」ということです。

一同:笑(松崎は真顔)

松崎:ただ、Kibidangoのベースにある『小さい会社でも面白いアイデアをたくさん持っているのに、お金がハードルになって実現できないのはもったいない。』という気持ちは、その当時から感じていたんです。「モノを売る」ということに関しては楽天が一つの形を作り上げているけれど、じゃあそれ以外のアイデアっていうのは、一体どうやったら形になるのか?という所。まだないもの、まだできていないことも含めて、中小企業をどうやってエンパワーするかという所は当時から変わらず思っていることです。

Kickstarterのメンバーに言われた「自分でやったら?」に背中を押されて…

松崎:「Kickstarter」と初めて出会ったとき、パソコンをそっと閉じるぐらいカオスな世界に圧倒されたのを記憶しています。経緯は全然覚えていませんが、最初に支援したプロジェクトは、履歴を見ると「GoPano micro for iPhone4」というプロジェクトのようです。


「iPhone4」という字面に哀愁すら感じる懐かしさ。

その後いくつかのプロジェクトを支援していくうちに、その世界観や仕組みにどんどん興味を持っていきました。

その後、楽天時代から存じ上げていたMITメディアラボ所長の伊藤穰一さんにお願いしてKickstarterの創業者達をご紹介いただき、「30分でよければ会うよ」という言葉を頼りに2012年2月にニューヨークまでわざわざ会いに行くことになりました。

そのとき彼らとは、

・「日本進出しないの?」→「興味はあるけど、もう少し先かな。」(注:Kickstarterが日本に進出したのは2017年9月)
・「ECと親和性が高いのにもったいないよ。」→「ECは専門外なのでやらないよ。」

というようなことを話しました。そして彼らから「そんなにやりたければ、自分でやってみたら?」と言われたんですよね。それを聞いて「そうか!」と気づかされました。まるでエールを贈られたように勝手に自分に都合よく解釈し、自分ではじめてみようという気になりました。

起業で一番大変だったのは「仲間を集めること」
100%コミットしてくれる人が一人でもいれば、事業は一気に動き出す。

松崎:そこからKibidangoの立ち上げまで、1年かかりました。この起業までの時期が一番大変だったかもしれません。特に「仲間集め」には苦労しました。

最初は僕のアイデアに興味を持ってくれた人たちと、週1程度で集まってディスカッションをしていました。でも、それだと全然話が進まない。ティザーサイトすら立ち上がらないという状態が続きました。


松崎が当時書いたというポンチ絵。胎児っぽい生き物は「登山している人」とのこと。一同爆笑するも、じっくり見て「え!これよくない?」となっていた。よく見ると、サイト名は「ippo(一歩)」となっている。

そんなとき、新潟でワイナリーを立ち上げた僕の銀行時代の同期・本多さんが、「ただ商品を卸すのではなく、お客様と一緒に商品を作るような取り組みをしたい」と話をしていて、それを最初のプロジェクトにしよう!となり、背中を押される形できびだんご設立に向けて色んなことが一気に動き始めました。


「5年後に届くワイン」という特典も、クラウドファンディングならではだった。

でもそこからがまた大変で、最初のプロジェクトが決まったのはいいけど、一転「あと1ヶ月でサービスをスタートしなくてはいけない!」という状況に。そんなとき、今も僕たちの大切な相談相手である、楽天創業メンバーの一人で最初の楽天のシステムを作られた功労者である増田さんが紹介してくれたのが、当時自分の会社を売って一段落していた(笑)安形さんでした。

一番大きかったのは、安形さんが「100%コミットします」と言ってくれたこと。やっぱり、それぞれがボランティアベースでやっていると何も進まないんだなあということを実感しました。

実は、最初のシステムは「ネットで検索」して見つけたんですよね(笑)

松崎:そのとき安形さんから言われたのが、「このスケジュール感でイチから作るなんてありえない。すでにあるものを使わないと無理ですよ。」と。

安形:しかも松崎さんは会社設立の準備で忙しかったので、システム構築からサイト設計まで、基本的には増田さんと僕がやらなくちゃいけなかった。

大手自動車メーカーや製薬会社を経て、決済システムの会社を起業した経験を持つ安形。きびだんごの若手社員にとってお父さん的存在。

で、あまりにも時間がなくてどうしようとなっていたとき、皆でネットで検索していたら「クラウドファンディングのシステムを販売します」っていうのを見つけて(笑)

松崎:「これ、買っちゃおうよ」って申し込んだらすぐソースコードが送られてきて(笑)それをベースに、外側を変えてサイトを作りました。

安形:2月22日に会社設立、2月25日にサーバー実装、3月8日にプロジェクト開始というスケジュールを振り返ってみても、どれだけ突貫だったか分かってもらえるかと…(笑)

ずっと守り続けている「等価交換」のポリシー

みきだんご:そんなバタバタの中で、松崎さんから皆さんに展望などが語られるタイミングはあったんですか?

安形:僕の場合、松崎さんと初めて会った当時は、すでに自分でつくった会社を売ってプラプラしていて、当時は「時給いくらの仕事」はもはやしたくないと思っていました。「やりたいことをやりたい、やりたくないことはやらない。」と。

そんなとき松崎さんから、『今、日本のクラウドファンディングは【寄付】の要素が強い。それではこの仕組みは継続していかないと思っている。Kickstarterのように【等価交換】をポリシーにしたサービスを日本でやりたい。等価交換なら、人は欲しいからお金を出すし、欲しくなければ出さないんです。』という話を聞いて、そういうサイトならアグリーできるし、やってみたいと思ったんです。

矢野:僕はECをずっとやってきたけど、ECの世界に行き詰まりを感じていたんです。周りの皆も疲弊してきていたし、このままではECは頭打ちになるんじゃないかなと思っていました。で、「次のECって何だろう?」ってことについては、学長(楽天大学・学長の仲山進也さん)ともよく話をしていて。そんなとき、仲山さんが松崎さんを紹介してくれて、「クラウドファンディングが次のECになるかもしれない」って思えたんです。

まあ、当時はみんな何もしゃべらずに無言でひたすら作業して「お疲れ様でした〜」って帰っていく感じでしたけど(笑)

一同:笑

矢野:それでも、みんなで「無いモノを作っている」という感じはすごくありました。

家具ショップのECサイトで店長をしていた矢野。数あるショップの中で一握りしかいない楽天のスーパー店長に名を連ねていた。

松崎:当時は、「EC」と「クラウドファンディング」を繋げるものって何だろうってことを、仲山さんや皆とすごく考えていて。その中で「プロジェクトコマース」という新しい概念が生まれたりもして、その可能性についてかなり議論していましたよね。

クラウドファンディングは「モノづくり業界の救世主」!?

みきだんご:ところで、青井さんがなかなか登場しないんですけど…。

一同:笑

松崎:青井さんは、きびだんご立ち上げの2ヶ月後くらいからメンバーになってくれました。

青井:松崎さんが「ものづくり言語が分かる人」を探していたとき、共通の知人を介して知り合いました。最初は、移転前の碑文谷オフィスに会いに行ったんです。そのとき初めて『クラウドファンディング』を知ったほどで、一緒に働くとは思ってもいませんでした。

で、松崎さんから「Kickstarter」の話を聞いて実際にサイトを見て、『うわ!めっちゃおもろいやん!』と。仕組み自体がシンプルなので何で今までなかったんだろ?と、とても感動して。

ものづくりに携わっている人なら分かると思いますが、まずは大きな展示会に向けて必死に開発して、場合によってはどこにも公開しないうちに、生産だけバンバン進めてしまう。「売れるかどうかは蓋を開けるまで分からない」というのは相当なプレッシャーで、『モノは作らなくてはいけないのに、もうモノづくりしたくない。』という所まで追いつめられたりも…。そしてみんな、「モノづくりとは何ぞや」という所にまで行き着くんです。


高岡の金属メーカーで、デザイナーズプロダクト事業のディレクターとして活躍していた青井。過去には某有名アジアン雑貨ショップのバイヤーとして各国を飛び回っていたことも。モノづくりのプロフェッショナルであり、きびだんごの中心人物。

「Kickstarter」でも、資金は集まったのに結局作れなかったプロジェクトもありますが、「モノ」をつくるということはそれだけリスキーなことなんです。でも、何かに取り憑かれたようにみんなモノを作りたくなる「魔力」もある。

今の若い人たちはアプリやソフトの開発に進むけど、その気持ちもよく分かる。効率的だとも思います。でも、昭和的おじさんたちは、どうしてもモノづくりの方の「プロダクト」に行ってしまう(笑)何とか「形」にしたいっていう。

そんな厳しい「モノづくり」の世界で、【先にお金を集めて作ってしまおう】というクラウドファンディングの仕組みがあれば、「ああもう“ゴミ”を作らなくていいんだ」っていう。

松崎:その後、青井さんとはデザイナーさんやモノづくり系の人達の集まりで何度か会うようになるんですが、ある日青井さんから電話があって「僕、きびだんごで働きたいんですけど」って(笑)「えー?!考えてなかったけど!?へ〜!」と驚いたのを覚えています(笑)

「コマース」の理念を持っていたのは、当時僕たちだけだった。

松崎:日本のクラウドファンディングは、東日本大震災をきっかけに一気に広まったように思います。そんな経緯もあってか、寄付的な要素が強い印象が当時はありました。

Kickstarterの創業メンバーPerry ChenのTEDのプレゼンが僕はすごく好きなんですが、彼らの思う「等価交換」の考え方や、僕たちが考えていた「コマース」的な考え方というのは、当時の日本のクラウドファンディング業界にはなかったなと思います。

きびだんごは、サービスローンチ前の資料を振り返ってみても、プロジェクトコマースの話しかり、『どうすれば中小企業の役に立てるか』という所をすごく話し合っていますね

当時のオーナーの方には迷惑をかけてしまったんじゃないかな…。

みきだんご:少し話は変わりますが、それぞれ心に残っているプロジェクトを教えてください。

松崎:過去のプロジェクトを見ていると、規模も小さかったり、「今だったら、もっとこんな風にお手伝いできたのにな」と思うことがあります。これは僕の悪い所でもあるんだけど、「プロジェクトとはこうあるべきだ!」という当時の自分たちの価値観、作り上げた枠組みに縛られすぎて、当時のプロジェクトオーナーの方に迷惑をかけてしまったんじゃないかなと思う事も多々あります。


自分たちが作った昔の資料を見て、爆笑している2人。

青井:当時は「本当に辛かった」という記憶が強くて。プロジェクトオーナーの皆さんと向き合っていくなかで、どうすればプロジェクトが上手くいくんだろうと考えすぎて寝られない日も多かったですね。ノウハウもまだ溜まりきっていなくて、武器を持たない状態でプロジェクトのサポートを必死にやっていました。

みきだんご:具体的にどんなことが辛かったですか?

青井:プロジェクトオーナーの方から、夜中にメッセンジャーで「どうすればいいのか分からない」「物乞いだと色んな人に言われた」など、色んな悩みが届きました。「あの人支援してくれるって言ったのにしてくれない…」と落ち込まれていたりとか・・・。プロジェクトのアドバイスだけでなく、メンタルケア的な所もやっていたので、自分も一緒に考え込んだりしてしまって。

みきだんご:今はクラウドファンディングの知識を、書籍やセミナーで皆さんが知るようになって、そんな風に落ち込む人も少なくなっていますよね。そう簡単に資金が集まらないというのは、色んなセミナーでも言われているので、理解された上でご相談に来られる方が増えているように感じます。

プロジェクトの根底から一緒に考えるのが、きびだんご流。

青井:きびだんごで初めて1000万円を超えた3Dプリンタの「BONSAI」や、京都まで行って動画制作をお手伝いしたコバタケファームのプロジェクトなど、印象に残っているプロジェクトはたくさんあります。その中で、僕にとって一番思い入れがあるのは、何といってもKibidangoで毎年プロジェクトをやってくれている「シチリアオリーブオイル」のプロジェクトです。


今年で5回目となったオリーブオイルプロジェクト。クチコミでジワジワとファンが増え、今回でついに200万円を突破した。

イベントで知り合ったプロジェクトオーナーの鎌田さんは、イタリアの食品を輸入する事業を展開されているんですが、最初は別の商品でプロジェクトをやりたいと相談を受けていました。で、その打ち合わせをしていたとき、鎌田さんが「イタリアに美味しいオリーブオイルがある」と教えてくれて、ピンときたんです。「そっち(オリーブオイル)の方が良いから、プロジェクトをやろう!」って僕から熱烈に提案しました(笑)そして日頃からずっと気になっていた「オイルの酸化って何とかならないですかね?」っていう欲求を鎌田さんに相談したら、「できるよ!」って、あの酸化防止ボトルを提案してくれて。きびだんごでお馴染みのオリーブオイルプロジェクトは、そこから始まったんです。

しかも、今はその鎌田さんの息子さんがオリーブオイルの事業を継いでいて。自分が提案したことがこんな風になるって、ドラマみたいな展開だなと。きびだんごがきっかけで、息子さんの人生にまで影響が出てしまった。

みきだんご:でもそれってすごくきびだんごっぽいですよね。皆さんの中に入り込んでサポートしていくっていう。

安形:僕の印象に残っているのはピースウィンズジャパンさんの「東ティモール」のプロジェクト。NGO団体の活動ということもあって、テーマ的には「寄付」にした方がシンプルだし分かりやすい。寄付を集めたいという団体の考え方も理解はできていたし、でもそれをそのままやるのはKibidangoのポリシーではないっていう想いもありました。そこで、このプロジェクトを僕たちが大事にしている「等価交換」に落とし込むにはどうすればいいんだろうってことを、青井さんがめちゃくちゃ考えてくれていました。

青井:彼らにとっての最終的なゴールは「寄付をしなくてもよい状態」にすること、すなわち彼らが自立することを考えようと。そこで、地元の若者にコーヒーの品質が分かる技術を習得させるのはどうか?という方向を提案したんです。結果、担当の方も納得してくれて、プロジェクトを成功させることができました。

それぞれが思う、「やりたいこと」と「やるべきこと」は?


改めてこのメンバーで写真を撮ることに。全員やけに照れている様子だったのが面白い。

一人で頑張るプロジェクトオーナーに提供できるノウハウは、まだまだあるはず(矢野)

矢野:僕は、ECでがんばっている店舗の人たちをKibidangoに呼びたいとずっと思っていました。その中の何人かはプロジェクトを実際にやってくださったけど、彼らにとってクラウドファンディングはまだまだ「生産性があまりよくない」「コスト」だと感じている印象です。そういう意味でも、クラウドファンディングのビジネスモデルはまだまだ難しく課題があるなと感じています。
また、プロジェクトページ自体も大事ですけど、もちろんPRも広告も大事。プロジェクトオーナーに全部をやらせるのは無理だということにも気がつきました。きびだんごはプラットフォームではあるけれど、昨年からやっている「きびたん(海外の面白い商品をきびだんごが発掘し、それを日本の皆さまに紹介することで、海外メーカーの日本展開をサポートする仕組み「きびだんご海外面白商品探索部」)」のように、自分たちでプロジェクトを回してノウハウをもっとためていかなくちゃいけないなと。

一人で頑張っているプロジェクトオーナーに対してサポートできることはまだまだ限られているし、そこは当時から変わっていないとも思う。まだまだ課題もあり、逆に言うとチャンスでもありますよね。

でも、「きびたん」だけじゃなくて、そのノウハウを今度は国内の会社に対して提供する国内向けのコンサルティング案件も増えているし、めちゃくちゃ可能性も感じています。

創業時から「つい訪れてしまうサイトにしたい」という思いは変わらない(安形)

安形:Kickstarterでは、「商品が届かない」などのトラブルが結構ありますが、きびだんごでも「7venメッセンジャーバッグ」のプロジェクトで大幅に納期が遅れてしまうという大きなトラブルがありました。そこについては、大きな課題であると思っています。

また、サービス開始当時から形は変わってきているものの、KibidangoのページのHTMLソースの一番上にかいてある「魅力的なプロジェクトを支援する楽しみ」、これって今も変わっていないですよね。Kickstarterでは「プロトタイプがないものはやらない」というルールがありますが、Kibidangoでも同様のラインは持っています。一方で、「本当にまだないもの」を実現するプロジェクトを応援することで得られるものもあるんじゃないかなと思います。

僕はサイトのスタッフインタビューで、「つい訪れてしまうサイトにしたい」と言っていますけど、これからもきびだんごが回遊したくなるサイトであり続けたい、そう思っています。

クラウドファンディングは手段の一つ。プラットフォームとしての可能性をもっと広げたい(青井)

青井:昨年から、地方創生の取り組みについてコンサルタントとして関わらせてもらっていますが、クラウドファンディングはゴールではなく、あくまで一つの「手段」であってほしいと思いながらやっています。また、大企業との取り組みやタイアップについても、もっと案件を増やしていきたいし、モノづくりや事業立ち上げの所から入り込んでいきたいと考えています。これはプラットフォームを持っているからこそできることだし、どんどん可能性を広げていきたい。

単なる予約販売じゃない、本当のクラウドファンディングの醍醐味を楽しめる世の中にしたい(松崎)

松崎:5年経ってできたことを一つ挙げると、「チームを作り上げることができた」ということ。きびだんごにとって、昨年からのエポックメイキングは「きびたん」事業が軌道に乗ってきたこと。「きびたん」を自分たちで運用した結果として培ったノウハウを、国内のプロジェクトオーナーに還元できたことも自分たちの自信に繋がったし、創業当時の頃とはそこが大きく違っていると感じますね。

小さい規模の会社は、誰が何をやっているかすべて分かります。法人は一つの人格でもあり、そのパーツがどんな状態か、何が足りないかすぐに分かる所が良い。今後も「僕たちが持っていないものを持っている人」にどんどん関わってもらいたいし、それによって、自分たちが中小企業やスタートアップをエンパワーするためにできることをどんどん増やしていきたいと思います。

また、業界的に今は「クラウドファンディング=予約販売」の印象が強く、マーケティングツールという側面しか見られていないのは何となく悔しいです。我々がやっていることは、国内・海外にかかわらず、全ての事業者や、継続して自分のやりたいことを続けて行きたいクリエイターの方々を支援しつづけられる仕組みを提供すること。本当のクラウドファンディングの醍醐味を楽しめる世の中にするにはどうすれば良いのかということも追求していきたいと思います。

【おまけ】きびだんごのルーキー・長島からサプライズ!


インタビュー終了後、きびだんごのルーキー・長島(2016年新卒入社)から「メダルクッキー」のサプライズ贈呈式が行われました!きびだんごの新卒社員第一号として、しっかりポリシーを受け継いでいる長島。今では一人前のプロジェクトアドバイザーとして、プロジェクトオーナーの皆さんから高い評価をいただいています。

そんな彼女の粋な計らいに、おじさんメンバーも感激の様子。




これからの「きびだんご」にご期待ください〜!

小さい規模ながらも、メンバー同士が手を取り合って乗り切った5年間。おかげさまで、プロジェクトのご相談をいただく時にも「真面目な姿勢をサイトから感じました」と言っていただくことも多くなり、自分たちが守ってきたポリシーが、ここへ来て皆さんに伝わり始めているんだということを実感しています。そして、メンバーも続々と増えている今、前のめりに6年目のスタートを切ることができています。これからが本番!の私たちに、ぜひご期待ください!(一緒に働いてみたい!という方もご連絡お待ちしています!)

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最後までお読み頂きありがとうございました!

編集/みきだんご