こんにちは!きびだんご・PR担当のみきだんごです。きびだんごの夜の部活動「よるだんご部」では、毎回テーマを決めてそのジャンルの第一人者をお招きし、座談会やワークショップを行っています。

今回のテーマは「こどものクリエイティブ脳、どう育てる?」

2020年から始まる【小学校プログラミング教育必修化】に向けて、「一体何を準備しておけばいいの?」と悩んでいるパパ・ママも多いと思います。何を隠そう、私(息子2歳)もその一人。

また、習い事ランキングの1位に「プログラミング教室」がランクインしたことからも、その関心の高さがうかがえます。

ゲストは、株式会社しくみデザイン/代表取締役・中村俊介さん!

今回のゲストは、株式会社しくみデザインの代表取締役・中村俊介さん。中村さん率いる「しくみデザイン」は、今ではすっかりお馴染みとなった双方向性デジタルサイネージの先駆者として、業界を開拓してきたクリエイター集団。

中村さんが開発した、WEBカメラを使って、体の動きで音楽を演奏する楽器アプリ「KAGURA」は、世界中でさまざまなアワードを受賞するなど注目を集めています。


当日は「KAGURA」の実演もしていただきました!


楽器が弾けなくても、子供でも大人でも、簡単にイケてる音楽を演奏できてしまう。

今回は、しくみデザインが開発したクリエイティブ脳を育てるアプリ「Springin’(スプリンギン)」を、『子供よりも先に、まずは大人が使えるようになろう!』という目的でワークショップを開催していただきました。


「Springin’」は、自由に作品をつくって遊んで楽しむのはもちろん、アプリ内のマーケットで作品を公開し、第三者に遊んでもらうことでさらなるモチベーションアップまで期待できるのが特長。

AIにはどんどん仕事を奪ってもらえばいい!

しくみデザイン・中村代表:今日は、僕たちが開発したビジュアルプログラミングツール「Springin’」を皆さんに使ってみてもらいたいと思います。

なぜ「Springin’」を開発したかと言うと、これからの時代に必要とされている、21世紀型スキル※、そして2020年にはプログラミング教育が必修化を控えています。そんな時代に向けて、僕はとにかく「楽しい!」と思えるツールが欲しいとずっと思っていました。

※「21世紀型スキル」とは?(Wikipediaより)
国際団体ATC21sによって定められた、デジタル時代となる21世紀以降必要とされるリテラシー的スキルのこと。創造力やイノベーション、メタ認知など、10項目のスキルで定義されている。

そのために、「Springin’」も「文字を使わない」「日本語も英語も使わない」「自分が作ったものを、他の人にも使ってもらえる」をベースに作っています。

「創造力」は「やりたいことを見つけるため」に鍛える。

今、「子供の将来」を不安に思っている保護者は多いと思います。特に「AI・ロボットに仕事を奪われるんじゃないか?」という心配の声をよく聞きます。10年後20年後には、今ある仕事の半分がなくなるとも言われています。

でも、考えてみてください。Kibidangoだって、10年前にはなかった。そもそも、クラウドファンディングという業界自体なかったんです。しくみデザインの事業も、僕が中学や高校時代にはそもそも存在していなかった。

ロボットやAIに仕事を奪われるのは、僕はウェルカムだと思っています。ガンガン奪え!と。「やらなくていい仕事をやってくれるんだ」と思えばいいんです。じゃあ人間は何すればいいの?というと、「やりたいことをやれば」いい。

だけど、いきなり「やりたいことやりなさい」と言われても困ってしまう。なので、今のうちから「やりたいことを見つけるのが、楽しくなるようなこと」をやっておく必要がある。

そして、その「やりたいことを見つける」ために必要なこと。それが【創造力・クリエイティビティ】です。だから、クリエイティビティをつけましょう!と僕はずっと言い続けています。

「クリエイティビティって、才能でしょ。」って思ってません?

僕たちがよく言われるのが、「そりゃあなた達はいいよね。才能があるから。」と。でも、僕たちは才能でやっているとは思っていません。もちろん「才能がなくはない」かもしれない。でも才能だけでやっているわけでもありません。

クリエイティビティは、例えば「運動能力」と同じだと思っています。やれば鍛えられる、やらなければ鍛えられない。絵も同じ。僕も昔はデザインをやっていたので、絵もある程度描けました。でも、今は社内の人に任せていて、もう何年も自分では描いていない。そうしたら、今は描けなくなってしまいました。

それと同じで、クリエイティビティも鍛える必要があるんです。

しくみオリジナル「PLCAサイクル」を回そう!

これは僕が勝手に提唱しているのでググっても出て来ないんですが、クリエイティビティをつけるための「PLCAサイクル」を回そうと提案しています。

PLCAとは、「Play」「Learn」「Create」「Approved」の4つ

今の日本の教育は、ほとんど「Learn」から始まるんです。とにかく勉強をさせる。子供達は「将来何に役に立つのか分からない状態」で、ただ勉強させられているんです。でも、僕は「今が楽しくてずっと取り組んでいたら、気がついたら役に立っていた」という状態が理想だと思っています。

なので、一番最初に「Play」から入るのが大切。「Play」が楽しくなって勉強して、そこで創り出したものを皆に褒められて、また創りたくなる。そして、そのPLCAを回すことのできるツールが、「Springin’」です。

ただ「楽しい」だけじゃない!Springin’のしくみ

僕もプログラミングは好きなんですが、プログラミングが出来るようになるまでには時間がかかります。そして、その間がつまんない。

なので、どうすればその「できるまでのプロセス」が楽しくなって、自分で勉強したくなるかを考えたい。「Springin’」はとにかく楽しくできるように作ってありますが、実は裏に色んな考え方を盛り込んでいます。

例えば「アジャイル開発」といわれる最近流行っている開発手法。アジャイル開発をするために、「とにかく作って動かしてみて、その反応を見て、そのフィードバックを元にもう一度作り直して…」というのをどんどん回していくことが重要です。「Springin’」も、作ったものをすぐ再生して試して、今の動きが確認できる仕組みになっています。エラーが出て途中で止まってしまうこともありません。

また、「プログラミング」にもいろんな手法がありますが、今抑えておくべき手法がこの3つだと考えています。

【1】イベント駆動型
昔と違い、今はプログラミングする対象の性能がすごく高く、1つの流れだけですべてを動かせない。「Aを触ったらこんなことが起きる」「Bを触ったらあんなことが起きる」「●と▲が実現すれば何かが起きる」ということを一緒に考えなくてはいけないので、1つがスタートすれば全てが進むというわけにいかないんです。

そのためにどうするかというと、「トリガー(命令)を飛ばすまで待機させる」という状態で作っていくんです。それが「イベント駆動型」です。例えばECサイトで、「カゴに入れる」というボタンを押したら、そのボタンに意味付けされているプログラムが発動します。それまでボタンは裏でずっと待っている状態です。

という風に、基本的には全部「イベント駆動型」です。そして「Springin’」は、この手法をとっています。

【2】オブジェクト指向
オブジェクト指向では、プログラム全体がオブジェクト(モノ)単位で作られているという考え方をします。例えばこの「ビールの缶」というモノに、「プルタブをカチっとすると開く」という機能が入っているというように、オブジェクトごとに色んな機能を持たせていくという考え方です。

【3】コンポーネント指向
今の世の中、いろんなものが作られています。そのいろんな人が用意してくれたものを繋げて、新しいものを作ろうという考え方です。

こんな開発のトレンドを、「Springin’」では体験することができます。この話は作る人にとってはどうでも良いことなので、普段のワークショップではしないんですけど、今回は大人向けということで説明してみました。

では、駆け足での説明になってしまいましたが、早速皆さんにSpringin’を触ってみてもらいましょう!(後編に続きます)

皆さんもぜひダウンロードしてみてください!

★みんながつくった作品を発表!レポート後編はこちら