「Kibidango」が主催する夜の部活動「よるだんご」は、クラウドファンディングという括りから脱して、「会いたい人達と、話したいテーマをとことん語り尽くそう」をコンセプトに始まったイベントです。

第3回目では「求人」「WEBメディア」「ローカル」という共通項を持つお二方をゲストにお招きし、公開対談を開催しました!


ゲストプロフィール

ナカヤマケンタさん

ナカヤマケンタさん

ナカムラケンタさん

「日本仕事百貨」運営/株式会社シゴトヒト代表取締役

1979年東京都生まれ。明治大学建築学科卒。不動産会社に入社し、商業施設などの企画運営に携わる。居心地のいい場所には「人」が欠かせないと気付き、退職後の2008年、”生きるように働く人の求人サイト” 「東京仕事百貨」を立ち上げる。2009年、株式会社シゴトヒトを設立。2012年、サイト名を「日本仕事百貨」に変更。2016年より清澄白河に拠点を移し、「仕事」を軸にした交流の場づくりを進めている。

■「日本仕事百貨」: http://shigoto100.com/

 

徳谷柿次郎さん

徳谷柿次郎さん

徳谷柿次郎さん

株式会社バーグハンバーグバーグ メディア事業部長/「ジモコロ」編集長

1982年大阪府生まれ。高校卒業後、アルバイトに明け暮れる日々を過ごす。26歳のときに上京し、編集プロダクションに。2011年、株式会社バーグハンバーグバーグへWEBディレクターとして入社。現在は、同社のメディア事業部長と、どこでも地元メディア「ジモコロ」の編集長を兼任する。

 

■あたまゆるゆるインターネット「オモコロ」: http://omocoro.jp/

■どこでも地元メディア「ジモコロ」: http://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/


「よるだんご」では毎回お酒とシェフ青井お手製の軽食が出ます。

「よるだんご」では毎回お酒とシェフ青井お手製の軽食が出ます。

サイトの不便さが、人と仕事の出会いに「偶発性」を起こす

「日本仕事百貨」トップページ

「日本仕事百貨」トップページ

きびだんご青井:

まずは、それぞれのメディアについてお話いただいてもよろしいでしょうか。

ナカムラさん:

「日本仕事百貨」が他の求人サイトと違う所は、主に3つあります。

1つ目は、すべての案件を取材していること。次に、仕事の大変な所もあるがままに紹介すること。そして、検索機能もSNS連携も無く「不便」であることです。

仕事百貨は、とっても不便なんです。皆さんは仕事を探すとき、業種や職種、通勤距離などで検索すると思います。でも、仕事百貨に検索機能はありません。これは敢えてやっています。

「口永良部島」をご存知ですか?過去にこの島の移住者を募集したことがあるんですが、この島のことを知らなければ、検索キーワードすら思い浮かばないですよね。

検索機能では辿りつかない口永良部島の求人ページ

検索機能では辿りつかない口永良部島の求人ページ

不便であることで、仕事百貨では「良いハプニング」が起こるんです。人と仕事の出会いに偶発性を起こすために、わざと不便にしています。実際に転職した人に聞いても、「仕事百貨は読み物としてちょくちょく読んでいて、あるときビビビときて応募した」という人がかなり多い。そういうメディアです。

この体験を、仕組みとして提供できれば面白いんじゃないか。

いろんな生き方・働き方に出会える小さな街「リトルトーキョー」

いちばん左がナカムラさんです。

いちばん左がナカムラさん

徳谷さん:

「リトルトーキョー」「しごとバー」のようなリアルな場作りもされていますよね。

ナカムラさん:

虎ノ門で運営していた「リトルトーキョー」は、再開発のため清澄白河のビルに引っ越しすることになりました。

「リトルトーキョー」のトップページ。4/22に清澄白河にオープンした。

「リトルトーキョー」のトップページ。4/22に清澄白河にオープン

※「リトルトーキョー」はこの対談の約2週間後、4月22日にオープンしています。

1階の飲食スペースは、夜は「しごとバー」に。2階は「食の工房」として、味噌作りワークショップなんかをやっていきたいと考えています。これまでの飲食業界の流れとして、まず最初に「生産者の顔を見せる」という大きな波がきて、そして今は、清澄白河にある「ブルーボトルコーヒー」なんかもそうですが、「売り手が目の前で作る」というブームがきていますよね。恐らく次は、「自分で作る」という波がくるんじゃないかなと。実際、ワークショップは開催するとすぐ満席になるんです。

2階には他にも、生き方・働き方に関するギャラリーを併設します。3階と5階は自由に使えるスペース、4階はオフィスになります

26歳で上京。最初の仕事で知った「ローカルメディア」の醍醐味

いちばん右が徳谷さんです。

いちばん右が徳谷さん

ナカムラさん:

柿次郎さんのお話もぜひ聞きたいんですが、この仕事をされるきっかけは何だったんですか?

徳谷さん:

僕は26歳まで牛丼チェーン店のバイトリーダーをやっていたんです。他にも新聞配達なんかもやっていました。一方で、20歳頃から「ライターになりたい」という想いはあって活動もしてたんですが、大阪ではなかなか埒が明かない。そこで26歳の終わり頃に上京し、運良く編集プロダクションに拾ってもらったんです。

徳谷さん:

編集プロダクションでの最初の仕事は「品川経済新聞」で、2年ほどライターを経験しました。

徳谷さんが2年間ライター修行を積んだ「品川経済新聞」。

徳谷さんが2年間ライター修行を積んだ「品川経済新聞」。

その後、バーグハンバーグバーグに入社したんですが、当時は企画メインの会社だったので、一旦ライター・編集業からは離れていました。でも、品川経済新聞で培った「ローカルで色んなネタを見つけること」は面白いとずっと思っていました。そんなとき、イーアイデムさんのオウンドメディア立ち上げ提案の話が舞い込んできたんです。

ローカルメディアとして、最大の武器は「知らないこと」

地元メディア「ジモコロ」のトップページ。

地元メディア「ジモコロ」のトップページ。

徳谷さん:

「ジモコロ」が立ち上がったのは1年前。この1年で20カ所以上は行きました。純粋な「ローカルメディア」として見られがちですが、半分は「仕事」をテーマに東京を中心に記事を作っています。「地元」と「仕事」をコンセプトに運営しているので、漫画を作ってみたり何でもやれちゃうんです。

ローカルメディアの世界には初めて入ったんですが、自分の「何が武器かな」って考えたとき、「何も知らないこと」だなと。知らないことが多いので、取材対象も異常に多い。だから、ネタに困る事も全くないんです。今一番興味があるのは、その土地の成り立ちを探ること。今後は、ジモコロでも各地域のルーツを解き明かすってことをどんどんやっていきたいですね。

そういうテーマの取材記事って、WEBメディアではなかなかないと思うんです。そういう普通のメディアで取り上げない事を、分かりやすくスマホで伝えるのが「ジモコロ」のメディアとしての強みだと思っています。

「互助交通」コーポレートサイトの記事に加筆・再編集を加えた「ジモコロ」のコンテンツ

「互助交通」コーポレートサイトの記事に加筆・再編集を加えた「ジモコロ」のコンテンツ

お笑いに近いコンテンツで、新卒が2名採用されたという事例も。今年も3名採用されたとか。

※ 2015年3月、求人で悩む下町のタクシー会社「互助交通」のコーポレートサイトにライターのよっぴー氏が書いた「タクシー運転手と絶品ラーメン食べに行ったら、予想以上におもしろかった」という記事が2名の新卒採用につながりました。この記事に加筆・再編集を加えたコンテンツが同年9月、「ジモコロ」に掲載されました。

ナカムラさん:

お話を伺っていて、似てるところと、似てないところがありますよね。似てるところは、お互い「顔が見える場を作っている」ところ。でも、アプローチの仕方が全然違うんですよね。僕らは分かりやすく真面目にやっていて、ジモコロは分かりやすくふざけてやっているというか。

一同:笑

徳谷さん:

「ジモコロ」も真面目系のコンテンツも増やしてはいるんですけどね。

ナカムラさん:

タクシー会社のコンテンツも、パッ見はふざけている感じがして、でも感動を巻き起こしそうな可能性も見えますよね。

徳谷さん:

あとは今、10代後半〜20代の反響がすごく多いんです。その層は本もあまり読まず、活字にもストレスを感じる世代なので、顔アイコンを使うなど読みやすくすることを意識しています。他にもGIFアニメーションをいれたり、できるだけ飽きさせない工夫をしています。

きびだんご青井:

「オモコロ」のコンセプトとは全く違うと思うんですが、面白系以外もやることに迷いはあったりしますか?

徳谷さん:

いや、全くそれはなくて。両方やればいいと思っています。結局WEBメディアで記事を作っても、一人の読者が全部読むっていうことはありえないと思っているんです。例えば月15本の記事を作ったとして、15本全部読むユーザーはほんの数パーセントだと思います。なので、それぞれの記事が深さを持っていれば良いと考えています。「たまたまおもしろそうな特集記事があったから読んでみよう」という感覚で、ソーシャルで接触点を作ろうとするとそうなっちゃうので。

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その後、話題は「ライターの育成方法」や「次、やりたいこと/考えていること」など、さらにディープなテーマへと移りました。

ナカムラケンタさん、徳谷柿次郎さん、参加者の皆さん、ありがとうございました!


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