こんにちわ。みずだんごです。
先日、Hardware Massiveが主催したネットワーキング イベント「Lessons Learned from Startups & Experiences at SXSW」に参加してきました。
Hardware Massiveとは、ハードウェア スタートアップがローカルで出会い、グローバルに繋がるためのコミュニティ。世界各地に18のチャプター(支部)を持ち、イベントの開催やさまざまなノウハウの共有を通じて、ハードウェアスタートアップがまだこの世にないモノを生み出す後押しをしています。
「Lessons Learned from Startups & Experiences at SXSW」では、触覚センサーを開発する「タッチエンス」の森下 康彦さんと「PLEN Project」の富田 敦彦さんが登壇し、それぞれのプロダクトの開発秘話や、SXSWなど海外展示会での経験をお話してくれました。
お2人からは海外市場を狙う日本のスタートアップにとってとても有益なお話を伺えました。「かわら版」ではPLEN Projectの富田さんのお話を中心にお伝え致します。
PLEN Project(公式サイト)
PLEN Project(きびだんごのプロジェクトページ)
誰でも作れる小さなヒューマノイド(二足歩行ロボット)を作る「PLEN Project」に富田さんが出会ったのは2013年。当時はまだ金融機関に勤めていた富田さんは、「ロボットが仕事になる日はまだまだ先だろう」と予測 し、まずはボランティアとしてPLEN Projectにジョインします。富田さんが取り組んだ最初のミッションが、新たに開発に着手するロボット「PLEN 2」の資金調達を、クラウドファンディングという新しい手法を使って成功させることでした。
最初はプラットフォームとして「Kickstarter」を考えた富田さんでしたが、海外でのクラウドファンディングには銀行口座に関する問題などいくつかのハードルを感じた富田さんは、まずは国内プラットフォームの「きびだんご」で挑戦してみることに。
「ロボットの本」でも語られているように、さまざまな苦労がありながらも、2015年3月〜5月にかけて開催されたPLEN Projectの最初のクラウドファンディングは、100万円の目標に対して330万円超を調達し大成功。その後、満を持して挑戦したKickstarterでのクラウドファンディングも、187人のバッカーから$66,420(およそ700万円)を調達して成功を収めます。2つのクラウドファンディングで調達した資金を元に生産をスタートし、およそ1年後の2016年5月に出荷がはじまった初回生産分のPLEN2は、2016年8月17日現在で在庫ゼロ(売り切れ)となっています。
2015年3月、PLEN Projectはプロモーションのために世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバルSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に出展します。
SXSWに限らず海外展示会に積極的に参加しているPLEN Project。出展のメリットとしては、展示会に集まる多くの人々に直接プロダクトの魅力を伝えられること。そして、人が集まるところには当然メディア集まるので、海外メディアへの掲載数を飛躍的に増やせることがあげられるそうです。ちなみに、SXSWに参加によるメディア掲載数は175メディア(20カ国語)に登りました。
ユーザーおよびメディア向けの効果的なプロモーションとして、富田さんは「やはり動画は効く」と仰られていました。1分間の動画は180万文字のテキスト、5000枚の画像に匹敵する情報量を持っていると言われます。イベント開催中に限らず、YouTube等に動画をアップすれば、スタッフが寝ている時にも地球の何処かで誰かがその動画を観てくれてプロモーションに繋がつ好循環を生み出せます。
https://www.youtube.com/watch?v=k2HkGMld1ew(英語版PV)
そして、やや意外なことに「ポストカード配布」も補完的なプロモーションとしてはかなり有効だったそうです。古い手法のようにも思えますが、ポストカードにはスマホやタブレットなどのツールがない状況でも手渡しできる利点があります。SXSWでもPLEN2ポストカードは好評だったようで、2日間のイベント中に1,500枚を配り終えました。
PLEN Projectではポストカードの教訓を活かし、スタッフの皆さんの名刺にも製品情報を載せ、いつでもどこでもPLEN2のプロモーションが行えるようにしています。
「ロボットを作る」仕事がすっかり楽しくなってしまった富田さん。既に金融系のお仕事は退職され、PLEN Project専任となって、毎日ロボット漬けの生活を送っておられます。そんな富田さんからハードウェアスタートアップに向けたアドバイスは「思い立ったが吉日」。「これだ!」と思うモノやコトがあれば、まずは飛び込んでみる。ともすれば日本では苦手な方も多いかもしれないそんな決断力と行動力が、成功するスタートアップには必要なのかもしれません。
Hardware Massiveは登壇者からのお話をお聞きするだけではなく、ネットワーキングのための時間を存分にとってあったり、参加者が2分間ピッチできる時間があったり(みずだんごも2分できびだんごを紹介しました!)と、登壇者と参加者が、そして参加者同士が、十分にコミュニケーションを取れるイベントでした。東京チャプター(支部)での次回の開催は未定のようですが、またぜひ参加してみたいと思います。こちらをお読みの方で興味持たれた方は、ぜひHardware Massiveのページからメンバー登録をしてみてくださいね!
では、また!